この辞典の活用方法
用語は貿易条件・決済・物流・通関・市場契約の5つのカテゴリに分類されています。初めて輸出を準備する方は「貿易条件」から始めてください。
貿易条件 (Incoterms)
- インコタームズIncoterms
- 国際商業会議所(ICC)が制定した国際貿易取引条件の標準略語集。物品の危険移転時点や運送費用の負担者を明確にする。現在の最新版はIncoterms® 2020である。
- 本船渡し条件FOB (Free On Board)
- 指定船積港で物品が本船に積み込まれた時点で、危険と費用が輸出者から輸入者へ移転する。韓国の輸出で最も多く使われる条件である。
- 運賃保険料込み条件CIF (Cost Insurance Freight)
- 輸出者が指定仕向港までの海上運賃と貨物保険料を負担する。危険移転は船積港で行われる。原材料・農産物の輸出入によく使われる。
- 工場渡し条件EXW (Ex Works)
- 輸出者の工場(または倉庫)で物品を引き渡せば義務が完了する。その後のすべての運送・通関費用と危険は輸入者の負担となる。輸出者の負担が最も小さい条件である。
- 関税込み持込渡し条件DDP (Delivered Duty Paid)
- 輸出者が輸入国の通関・関税まで含むすべての費用と危険を負担し、指定仕向地まで物品を引き渡す。輸入者の負担が最も小さい条件である。
- 運賃込み条件CFR (Cost and Freight)
- 輸出者が指定仕向港までの海上運賃を負担するが、保険料は輸入者の負担となる。CIFと異なり保険加入の義務はない。
決済・書類
- 信用状L/C (Letter of Credit)
- 輸入者の取引銀行が輸出者に発行する支払保証書。輸出者が信用状条件に適合する書類を提出すれば、銀行が代金支払いを保証する。貿易決済の代表的な方法である。
- 船荷証券B/L (Bill of Lading)
- 船会社が貨物の受領を証明し、仕向地まで運送することを約定する有価証券。物品の所有権を表すため、信用状取引では必須書類である。
- 見積送り状Proforma Invoice
- 輸出者が取引成立前に輸入者へ提供する見積用の送り状。品目・数量・単価・決済条件・有効期限を明記し、輸入者の輸入許可やL/C開設時の基礎書類として活用される。
- パッキングリストPacking List
- 輸出貨物の梱包明細書。箱ごとの品目・数量・正味重量・総重量を記載し、税関通関や輸入者の貨物確認に使用される。
- 原産地証明書Certificate of Origin
- 輸出物品が生産された国を公式に証明する書類。FTA特恵関税の適用時には必ず必要となる。韓国では大韓商工会議所または税関で発行する。
- 為替手形Draft / Bill of Exchange
- 輸出者(振出人)が輸入者または銀行に一定金額の支払いを請求する有価証券。信用状取引ではB/Lなどの船積書類とともに銀行へ呈示される。
物流・輸送
- HSコードHS Code (Harmonized System Code)
- 世界税関機構(WCO)が制定した国際標準の商品分類コード。6桁の基本コードに各国が細分化コードを追加する。輸出申告・関税算定・原産地判定などすべての貿易書類で必要となる。
- フォワーダーForwarder (Freight Forwarder)
- 荷主に代わって海上・航空・陸上運送を手配する物流専門の代理人。船腹予約・通関代行・書類作成など物流全般を支援する。
- 滞船料Demurrage
- コンテナや船舶を無料使用可能期間を超えて使用した場合に、船社または港湾へ支払う遅延費用。通関の遅れやコンテナ返却の遅れで発生する。
- 複合輸送Multimodal Transport
- 二つ以上の輸送手段(海上+陸上、海上+航空など)を組み合わせて物品を輸送する方式。単一の契約と単一の書類(複合輸送B/L)で処理される。
- 内陸輸送Drayage
- 港湾・鉄道ターミナルから倉庫・仕向地までの短距離陸上輸送。コンテナの内陸輸送で主に使われる。
通関・関税
- 関税Tariff / Customs Duty
- 輸入物品に課される税金。税率はHSコードと原産地によって決まる。FTA締結国原産の物品は協定税率(特恵関税)が適用され、節減が可能である。
- 通関Customs Clearance
- 輸出入物品が税関を通過する手続き。輸出申告→審査→積載、または輸入申告→審査→納税→搬出の順で進行する。
- 自由貿易協定FTA (Free Trade Agreement)
- 二か国以上が相互の関税引き下げ・撤廃および貿易障壁の除去を約定した協定。韓国はEU・米国・中国・ASEANなど59か国とFTAを発効中である。
- 輸出申告Export Declaration
- 物品を輸出する前に税関へ提出する申告。輸出申告の受理後に船積みが可能となる。輸出免税(消費税ゼロ税率)適用の根拠書類となる。
市場・契約
- 最小発注数量MOQ (Minimum Order Quantity)
- 供給者が一度に受け入れ可能な最小発注単位。大量生産の特性上、製造者はMOQ以上の発注にのみ対応する場合が多く、バイヤーとの交渉ポイントとなる。
- 相手先ブランド製造OEM (Original Equipment Manufacturer)
- 輸入者(バイヤー)のブランドと仕様で製品を生産する方式。完成品をバイヤーのブランドで納品する。
- 製造者開発製造ODM (Original Design Manufacturer)
- 製造者が自ら設計・開発した製品をバイヤーのブランドで供給する方式。OEMと異なり、製造者が製品設計を主導する。
- バイヤーBuyer
- 輸出取引で物品を購入する海外の企業または個人。卸売業者・輸入業者・流通会社・グローバルブランドなど様々な形態がある。